旧安田庭園と刀剣博物館
■指定されている場所: 墨田区
刀剣博物館は、公益財団法人日本美術刀剣保存協会の付属施設として1968 年(昭和43)年に開設しました。日本刀は単に武器というだけでなく、信仰の対象でもあり、権威の象徴、また美術品としての高い価値も持っています。刀剣博物館では、そうした日本刀を保存・公開し、 日本刀文化の普及を目指して活動しています。
1876(明治9)年、明治政府は廃刀令(帯刀禁止令)を発し、大礼服着用の場合、ならびに軍人や警察官が制服を着用する場合以外は、刀を身に付けることが禁じられるようになりました。第二次世界大戦後、GHQ は日本刀は武器として没収の対象となり、その存続が危ぶまれるようになりました。
そこで、日本刀研究の権威者である、本間順治氏と佐藤貫一氏の二人の働きにより1948(昭和23)年、日本美術刀剣保存協会が設立され、美術工芸品としての日本刀の保存・鑑賞・研究・刀職の技術継承を行う協会が誕生しました。最初の事務所は東京国立博物館内に置かれましたが、1968(昭和43)年、渋谷区代々木四丁目に刀剣博物館
刀の製作に関するパネル展示
玉鋼
日本美術刀剣保存協会は、刀剣類の展示・保存のみならず、
情報コーナー
刀剣博物館は常設されている情報コーナーに加え、「平成の名刀・名工展」「現代刀職展」といった
刀の重さを実感できる展示
刀剣博物館では、定期的に各種講座が開かれています。マナー講座は初心者向けで、受講者の方が実物の日本刀を持ち、取り扱い方法や鑑賞方法について説明を受けます。予約開始から30 分で定員が埋まるほどの人気の講座です。本部定例鑑賞会は、マナー講座受講修了者が参加できます。毎回異なる日本刀10 振ほどを手に持って鑑賞し、そのうち5 振は茎(なかご)をかくして参加者が刀工銘を当てるというものです。