■指定されている場所:小金井市
「ルバーブ」は、フキに似たタデ科ダイオウ属の多年草です。シベリア南部ないしはモンゴル原産で、人類が栽培した植物としては最も古い部類に入ると考えられています。日本には、明治時代初期に導入されたものの、日本人の間では酸味や渋みのために人気が出ず、主に外国人のために作られました。茎は甘酸っぱく、さわやかな酸味と豊富な食物繊維が特徴です。生で食べるには酸味が強すぎるため、欧米では、ジャム、ゼリー、パイ、タルトの材料として使われています。そのためルバーブは英語で Pie plant(パイ・プラント)「パイの植物」という別名を持っています。ルバーブをシロップやワインで煮込んだコンポート(砂糖煮)は、茎そのものの食感や風味が残り、甘酸っぱくフルーティーです。ジャムやコンポートを、ヨーグルトやアイスクリームに添えると絶品です。
「ルバーブ」(Rheum rhabarbarum)は、「ダイオウ」(Rheum palmatum)と同じダイオウ属Rheumに属しており、別名「食用大黄(ダイオウ)」といいます。大黄(ダイオウ)は「大黄甘草湯(だいおうかんぞうとう)」といった漢方処方で用いられる重要な生薬の一つで、黄色い根茎が健胃剤や緩下剤として働き、消化不良、便秘、食欲不振、腹部膨満に対しても効果があるとされています。同じ仲間のルバーブも、ダイオウの薬用成分であるセンノシドを微量に含んでいるため、消化を助け、便秘改善にも効果があると言われています。葉はシュウ酸を多く含むため食べることができず、食用にされるのは一般に「茎」と呼ばれている「葉柄(ようへい)」の部分です。
ルバーブはシベリアで育っていた植物だけに寒さに強く、暑さに弱い植物です。春に種をまいてから2年目以降に収穫します。2年目には高さが1.2mほどになります。収穫の時期は育てる地域の気候によって変わりますが、小金井では暑い時期を除き5~6月頃と10~11月頃に収穫されています。
小金井市は新たな特産物としてルバーブの生産・販売を推進しています。小金井市内の小・中学校では、給食のメニューとして、ルバーブを加えたマーマレードやルバーブのパンなどが提供されています。また小金井市では、JA東京むさし小金井地区女性部を講師に迎えた、「地元野菜を使った料理教室」がしばしば開催され、その中ではルバーブのジャムやルバーブを用いたかき氷などの作り方も紹介されました。ちなみに、ルバーブのジャムは、JA東京むさし「小金井ファーマーズ・マーケット」などで購入することができます。
ルバーブのジャム
料理教室
学校給食に出されたルバーブパン