■指定されている場所: 新島村
大踊(おおおどり)は、新島に伝わる伝統の踊りのことです。お囃子(はやし)などの伴奏なしで、唄のみに合わせて踊ります。由緒は極めて古く、室町時代にこの島に伝わったとされており、この貴重な踊りは国の重要無形民俗文化財に指定されています。
大踊は、毎年お盆の14 日と15 日に行われています。室町時代に流行した「風流踊(ふりゅうおどり)」またの名を風流(ふりゅう)が、島に伝わったものと言われています。風流踊は、元々楽器の伴奏を伴うものでしたが、日本各地の農村に伝わるにつれてさまざまな形に変わっていき、ある地域では雨乞いの踊りに、また別の地域では、念仏踊へと変化していきます。新島では、時代を経るにつれて先祖を供養する供養踊(くようおどり)として踊られるようになりました。
本村の踊りの衣装(新島博物館)
新島の大踊は、新島村の中央西側の海岸一帯を占める本村(ほんそん)と、北部西岸にある集落の若郷(わかごう)で踊られます。本村では8 月15 日の夕方から長栄寺の境内で踊られます。若郷では8 月14 日の晩に妙蓮寺の境内で踊られています。
腰に下げた印籠(新島博物館)
演目はかつては17 種類がありましたが、現在踊られているのは、本村では「役所入り踊」「お福踊」「伊勢踊」の3 演目で、若郷では「役所入り踊」「青が丸(あおがまる)」「備前踊(びぜんおどり)」「伊勢踊」の4演目となっています。
若郷の踊りの衣装(新島博物館)