東久留米市役所の 1 階にある「Cafe てん」の 好評メニュー・柳久保小麦うどん(肉汁)
■指定されている場所: 東久留米市
柳久保(やなぎくぼ)小麦は東久留米市柳窪(やなぎくぼ)※で生まれた小麦の品種名です。東久留米では、地域振興の一環として、柳久保小麦を用いたうどん、まんじゅう、パン、かりんとうなどを作り、東久留米の新たな特産品を生み出す取り組みがなされています。
※柳窪という地名は、柳久保という漢字が当てられることもありました。
柳久保小麦の麦畑
1851(嘉永4)年、東久留米市柳窪に住む奥住又右衛門(おくずみまたえもん)が、旅先から持ち帰った一穂の麦から育てたと伝えられています(その小麦の出所に関しては諸説あります)。その小麦が良質であることが評判となり、「又右衛門種」「柳久保小麦」と呼ばれるようになりました。やがてうどん用としても人気が高まり、東京・埼玉・神奈川などの関東地方の近隣地域でも柳久保小麦が栽培されるようになります。
柳久保小麦は、病気に強く、また麦の草丈が高いために、農家の藁葺(わらぶ)き屋根にも利用されました。しかし、草丈が高いことから、強風によって倒れやすく、栽培に手間がかかります。また、一般に栽培されている麦の品種と比べると収穫量が少ないため、1942(昭和17)年には、いったん生産が途絶えました。やがて月日が流れ、奥住又右衛門の子孫にあたる奥住和夫氏が、1985(昭和60)年頃、柳久保小麦を復活させて東京に広めたいと願い、農水省生物資源研究所に保存されていた種子を譲り受けて栽培を開始し、ついに柳久保小麦は復活を遂げました。小麦を育てるにあたり、生産者の方々は農薬や化学肥料もなるべく減らすよう努めています。
柳久保ラーメン・柳久保うどん
味や香りがよくコシが強い柳久保小麦は、うどんに最適です。柳久保小麦を使用した手打ちうどんのレシピも用意されており、家庭で手打ちうどんを楽しめます。柳久保小麦は一般的な小麦に比べ水分量が多いため、通常の小麦の感覚で水を加えると麺が切れてしまうので、加える水を減らします。茹で上がった麺は黄色味がかっているのが特徴で、冷水で締めて温かい肉汁につけ麺で食べれば、柳久保小麦独特の歯応えを堪能できます。お菓子にこの小麦を用いれば、パサパサせずしっとりして、シフォンケーキ、ふすま※を使用したマドレーヌにも合います。柳久保小麦は風味が強く、他とブレンドしても負けないため、使い方によって様々な可能性を秘めています。
※「ふすま」とは、小麦粒の外皮の部分や胚芽などの「表皮の部分」を指します。
柳久保小麦を用いたかりんとう
柳久保小麦を使用したうどん、ラーメン、パン、ピザ、
柳久保小麦のふすまを配合した石けん